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クラウド・コンピューティングを利用したオペレーティング・システムの未来

オペレーティング・システム(OS)はソフトウェアの一部で、コンピュータのハードウェアを管理し、様々なアプリケーション用の一般サービスを提供します。クラウド・コンピューティングの台頭にともなって、OSがまだ関連するのか、また、将来のクラウドにおいてOSがどんな役割を果たすのか疑問に思う人もいるでしょう。

OSの主な構成要素

オペレーティング・システムには、リアルタイムOSから、デスクトップOS、メインフレームOSまで様々な種類があり、最先端のOSがクラウドOSです。

一般的に、どのOSにも以下の共通する構成要素があります。

  • メモリやプロセスなどを管理するカーネル。
  • 異なるベンダーによる様々なハードウェアをサポートするデバイスドライバ。
  • コマンド・ライン・シェルやウィンドウ・システムを含むユーザー・インターフェース。
  • データを保持するための階層構造を提供するファイル・システム。
  • ユーザーを認証し、情報を守るセキュリティ。

OSのタイプにより、上記のどれかが欠けていたり、また、他の要素があることもあります。例えば、内蔵のOSにはユーザー・インターフェースがなく、全てが遠隔管理されていることもありますし、デスクトップOSには、計算機、カレンダー、ブラウザなど、頻繁に利用される追加アプリケーションがあるかもしれません。

押し出されたサンドイッチ

仮想化により、オペレーティング・システムはソフトウェア・スタック中に押し上げられました。ハードウェアを管理、抽象化する役割は仮想マシン下のハイパーバイザに譲られ、OSは仮想化によって、底から押し出された形になります。

仮想化のずっと以前から、データベースやメッセージングなどを含むソフトウェアのミドルウェアという概念がありました。これらは、より高いアプリケーションの階層プラットフォームを提供することにより、結果的に製品の質と開発者の生産性を高めます。 また、JVMや.NETのようなソフトウェア仮想マシンの台頭でOSサービスはプログラムAPIの上階層に抽象化されたので、アプリケーション開発の視点から見ると、OSはそれほど重要ではありません。OSは最上階からも押し出されたのです。

また、押し出そうとしても、現代のサンドイッチに「肉」はそんなにありません。VMware(ヴイエムウェア株式会社)の代表取締役、Paul Maritz(ポール・マリッツ)氏もVMworld(ヴイエムワールド)2010で「ハードウェアをどう構成するかという改革とサービスをどのようにアプリケーションに提供するかという改革は、今はもう、OS内では起こってはいない。」と指摘しています。言い換えれば、改革は現在、もっと下(仮想化)と上(ミドルウェア)で起こっているのです。

それでもOSがクラウド・コンピューティングの中で重要なのは何故か。

前にも言ったように、クラウド・コンピューティングは革命というよりは進歩です。 従来の方法を守るということは導入する上でとても大切で、その従来の方法の一つがオペレーティング・システムなのです。

技術的な面で、OSはとても重要な財産、IPアドレスを持っています。IPアドレスは、ネットワークにおいて2つの機能を持っています。1)出入りの際の交通整理を助けることと、 2) 個々の操作システムを特定することです。

ESXのようなハイパーバイザはIPアドレスを持ってはいますが、管理目的で持っているだけで、作業負荷の計算目的ではありません。ミドルウェアとアプリケーションはIPアドレスを持っていませんが、必要に応じて個々のサービスポートと自身を結び付けます。

2つ目の、IPがIDであるという役割はとても重要で、これは公共のインターフェースのようなものです。私達がIPをミドルウェアやアプリケーション層に移動させることができない限り、OSは重要な構成要素であり続けるのです。

IPv4を利用する場合、利用可能なIPv4アドレスが限られているため、IPをアプリケーションに割り当てることは実用的ではありません。IPv6を利用すると、IPアドレスが豊富にあるので、全て可能になりますが、そうなると、それが本当に必要か、また、その変更によって何が手に入るのかという疑問が生まれます。1例を挙げると、IP属性をミドルウェアやアプリケーションに移動することで人々の感じ方がガラリと変わり、それが導入を阻害する可能性があります。

JEOSは十分か。

仮想化にともなって、Just Enough Operating System(必要最小限のOS:JEOS)とVirtual Appliance(仮想アプライアンス:VA)の概念が生まれました。考え方としては、アプリケーションをサポートするための必要最低限まで、OSをそぎ落とすことができるということです。この比較では、仮想マシンを1つのアプリケーションとして考えてください。

1つには、操作システムのサイズを大幅に減らすことができます。ここでの挑戦は、どうやって以前と同じくらい便利に保つかということですが、私個人としては、その挑戦に対する完璧なソリューションはまだ見たことがありません。一般的に、多くの人は仮想アプライアンスを1つのアプリケーションと考えることにまだ戸惑いを感じます。そのような人は、それをまだOSとして見ており、同じ機能を期待してしまうのです(一連の新しいツールが、アプリケーションと同様にそれを管理することに役立つ場合を除く)。これは「次の大物」として、新しい改革の波を牽引するかもしれません。

OSの分散

OSは様々な環境において、異なる目的で利用されるため、一様に進化するとは考えられず、クラウド・コンピューティングを背景に、OSの未来はその目的別に分散していくと思います。

まず、企業用のOSです。Paul Maritz(ポール・マリッツ)氏が言ったように、OSはスタック中の構成要素であり続けます。クラウド・インフラをサポートする上で、まだ重要であり、安定した構成要素なのです。クラウドのタイプによっては、OSについて特に知らなくて良いかもしれませんが、オペレーションのためにはまだ重要です。緊急を要する課題は、新しいフィーチャーを改革することではなく、OSを信頼性があって、便利で、安全で、さらに新しいCPU構造についていけるようにすることです。

2つ目は、エンドユーザーのためのOSです。ブラウザがあればいいと思う人もいますが、私は仕事でもプライベートでも本格的なデスクトップOSの便利さを好みます。グーグル・クロムOSのようなブラウザ上でも似たようなユーザー満足度を築くことはできますが、それも私が既によく知っているフィーチャーをもったデスクトップです。こういったOSはクラウド中でも生きることができ、離れたところからエンドユーザーのために役立ちます。エンドユーザーはクラウドの外にもOSを必要とすることになるでしょう。これらのOSは、独立したソフトウェアとしてではなく、コンピューター・ハードウェアと強く結びつくことができるかもしれません。様々なデスクトップ、ネットブック、スマートフォン、セットトップボックスにまたがって、携行性を高め、個人データを簡単に管理するためには、より良い同期方法が必要になってくるでしょう。

元記事: http://www.doublecloud.org/2010/10/the-future-of-the-operating-system-in-cloud-computing/

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VMware vCloud Director(vCD)– 概要

ご存知の方も多いと思うが、数カ月前に私はVMwareのプロフェッショナルサービス部門からクラウドプラクティス部門へと移った。我々の仕事の大半はVMware vCloud Directorが中心であるため、ようやくリリースに漕ぎ着けたことを嬉しく思う。これで守秘義務契約に縛られることもなくなったので、近いうちにこれについてたくさんの記事を書きたいと思う。

VMware vCloud Director とは何か?

VMware vCloud Directorとは新しい抽象化レイヤである。以下vCDと呼ぶが、これはvCenterの上に重なる層であり、vCenterが管理するすべてのリソースを抽象化する。これらのリソースは、顧客(テナント)が消費できるよう集積し、1つの大きなプールにまとめる。vCDはリソースを抽象化し、プール化するだけでなく、セルフサービスポータルも追加する。これはvCenter/ESX(i)の上に重ねられた格好になっている。イメージしやすいよう図式化してみた。これはまだ単純化された大まかな概要である。

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原文: http://www.yellow-bricks.com

「VMware vCloud Director Cluster」と記載されていることに気付かれただろうか。このクラスタは、「セル」と呼ばれる複数のvCDサーバにより構成されている。これらのセルがvCDを構成し、リソースの抽象化やポータル、そして後に説明するその他の機能を提供している。

vCDはvCenterが管理するリソースを抽象化する。現在テナントが利用できるリソースには3つのタイプがある。もう少し分かりやすくするために、各リソースタイプの下にそれがvSphereレイヤで何を表すかについて説明を加えた。

 

 

 

 

  1. コンピューティング
  2. – クラスタおよびリソースプール
  3. ネットワーク
    – dvSwitchおよび/またはポートグループ
  4. ストレージ
    – VMFSデータストアおよびNFSシェア

これらのリソースは、vCDの一部であるセルフサービスポートを通して提供される。vCDの管理者は、vCDポータルを利用してこれらのリソースを必要に応じて分割し、顧客または部署(vCDでは「組織」と呼ばれることが多い)に割り振ることができる。ここで留意されたいのが、vCDが純粋にサービスプロバイダー向けに設計されているわけではなく、プライベートクラウド環境での使用も念頭に置いているということである。

これらのリソースを分割するには、Virtual Datacenter(vDC)と呼ばれるコンテナを作る必要がある。Virtual Datacenterには2つのタイプがある。

  • Provider Virtual Datacenter(Provider vDC)
  • Organization Virtual Datacenter(Org vDC)

Provider vDCは、「コンピューティング」リソースの土台となる。Provider vDCを作成する際、リソースプールを選択しなければならないが、これはvSphereクラスタのルートリソースプールであっても構わない。また同時に一連のデータストアをProvider vDCと関連付けなくてはならない。概してこれはすべてクラスタに対してマスクされたLUNである。私の同僚の何人かは、Provider vDCはSLAの指定を行うオブジェクトだと説明したが、この説明で概念がもう少し分かりやすくなるだろう。したがって、一方では15K FCディスクとN+2冗長構成によりHA(高可用性)を提供する「ゴールド」Provider vDCを持ち、もう一方では「シルバー」Provider vDCをSATAディスクで運用し、N+1の冗長性しか提供しないということも可能なのである。運用方法はいくらでもある。

Provider vDCを作成したら、Org vDCを作成し、これをvCD組織と結びつけることができる。「組織」には複数のOrg vDCを関連付けることができるということに留意されたい。以下の図にこれを表した。ここでは、1つの組織が2つのProvider vDCをまたぎ、3つのOrg vDCを所有している。2つのProvider vDCはそれぞれ固有のSLAを持っている。

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原文: http://www.yellow-bricks.com

ではこれらのOrg vDCで何ができるのか?一言で言うと、「消費する」ことである。vAppを作成することができる。vAppは、単に1台または複数の仮想マシンで構成される論理コンテナである。vAppは、内部ネットワークとファイアウォールで保護された外部接続を1台のVMに対して持つ3階層Appを内包することができる。これを図式化すると以下のようになる。

 

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原文: http://www.yellow-bricks.com

もちろんネットワークを構築する方法はいろいろあるが、これは入門記事で説明するには少々複雑すぎる。ネットワーク機能については今後詳しく紹介していく。

お分かりいただけたと思うが、vCDでは実に様々な事が可能である。1つの記事ですべてを説明しつくすには多すぎる。

最後にもう一度まとめてみよう。vCDはセルフサービスポータルを提供する。このポータルはテナントにリソースを割り振ることを可能にし、テナントがvAppを作成することでこれらのリソースを消費することを可能にする。vAppは1台または複数の仮想マシンで構成されるコンテナであり、切り離されたネットワークを内包することができる。前にも言った通り、vCDではもっと様々なことが可能だが、より具体的な話に入っていくのは、皆さんが少し実際に触ってみてからの方が良いように思う。

お分かりいただけると思うが、私自身、今回のリリースについては特別な思いがあり、ようやくこのトピックついて話せることを大変うれしく思っている。今後も記事を書いていくが、その前にしばし間を置くので、皆に製品を見てもらえればと思う。

詳しい背景、ダウンロードはこちらから。

リリースノート:
http://www.vmware.com/support/vcd/doc/rel_notes_vcloud_director_10.html

ダウンロードページ:
http://downloads.vmware.com/d/info/datacenter_downloads/vmware_vcloud_director/1_0

ドキュメント:
http://www.vmware.com/support/pubs/vcd_pubs.html

製品サイト:
http://www.vmware.com/products/vcloud-director/

評価用ガイド:
http://www.vmware.com/files/pdf/techpaper/VMW-vCloud-Director-EvalGuide.pdf

スクリーンショット:
http://www.vmware.com/products/vcloud-director/screens.html

元記事: http://www.yellow-bricks.com/2010/08/31/vmware-vcloud-director-vcd/

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